5.中世土豪と八木節の里を訪ねて
足利市南部の御厨地区は、古代に梁田郡が伊勢神宮の神領「御厨」となりました。中世には土豪の館が造られ、その周辺には数多くの史跡が残っています。近世には例幣使街道八木宿として栄え、この地から発祥した八木節は日本を代表する民謡として有名です。
東武和泉駅→1km→中里城跡→800m→トチセン(旧足利織物)→400m→母衣輪神社のイチョウとクスノキ→200m→八木節会館→1km→赤城神社本殿→1km→地蔵院の五輪塔→300m→浄徳寺の石塔群→60m→長谷川沼田居美術館→1.6km→東武県駅

中里城跡(市・室町時代)
足利氏の家臣であった柳田伊豆守の館跡と言われています。堀と土塁が当時の面影を良く伝えています。北西に隣接する宝福寺は柳田氏の菩提寺で柳田氏の墓と伝えられる石造層塔が2基並んでいます。中里城跡は個人の邸宅ですので見学は外部からのとどめて下さい。

トチセン(旧足利織物)(国登録・大正時代)
東武福居駅前のノコギリ屋根の赤レンガ工場。大正2年(1913)に建てられました。レンガ造りの本格的大型繊維工場としては日本でも初期のもので歴史的に貴重なものです。多数の映画やドラマのロケ地となっています。
見学は外部からとして下さい。

母衣輪神社の銀杏とクスノキ(市)福居町
例幣使街道八木宿の中心にあります。いずれも高さ13mあり、イチョウは樹齢200〜300年、クスノキは200年と推定されています。この街道を通った人々の目印となっていた事でしょう。イチョウは文政の大火の際類焼を防いだといわれています。

赤城神社本殿(市・江戸時代)上渋垂町
古墳の上に建てられている本殿は嘉永4年(1851)再建とされ、周囲には百足や、やまたのおろち神話等をモチーフにした優れた彫刻が見られます。境内周辺にはいくつかの古墳が残されています。

地蔵院の五輪塔(鎌倉時代)
赤城神社から踏切を渡るとひときわ目立つ瓦屋根の地蔵院が見えます。お堂から50mほど北の墓地の中央に凝灰岩製の五輪塔が立っています。豪族御厨太郎の墓と伝えられる五輪塔は鎌倉時代のものと推定されています。